ゲームブック「ブラッドソード」

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zoom RSS WW6-21 真の友人

<<   作成日時 : 2012/11/05 22:22   >>

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ガネロンが剣を引き抜くと、そこには屈み込んだ醜い老婆が姿を現した。
「恐れ入ったよ。」負けを受け入れて、彼女は言った。騎士の剣は彼女の喉に突き付けられたままだ。
「貴様は何者だ?そして、何故アシュリー卿と王国を破滅させようとしたのだ?」
「あたしゃ、ただの孤独な魔女だよ。」悲しげな笑みを浮かべて、彼女は言った。「あたしが欲しかったのはアシュリー卿の愛だけさ。」目に涙をためながら彼女は続けた。「もし王国で一番美しいハヤブサになれば、ハヤブサの騎士はずっとあたしを愛してくれると思った。でも、彼は自分の君主をそれ以上に敬愛していた。彼の心の中で一番になれなかったことが、あたしには耐えられなかった。だから、その代わりに彼の愛した全てを破壊してやることにしたのさ−全ての物を、あらゆる者を!でも、それも失敗した。」
「で、これからどうするつもりだ?」剣の切っ先をさらに近づけながら、彼は尋ねた。
彼女は諦めの溜め息をついた。「この地から飛び去るよ。」
「それにはまず、誓いをしてからだ。」彼は断言した。
「どんな誓いだい?」怪しむように老婆は尋ねた。
「今後二度と、この王国に決して姿を見せないという誓いだ。万が一戻ってくれば、貴様の全ての魔法は永遠に失われるのだ。」
魔女はためらった。
「さあ誓うのだ、さもなくば死あるのみ!」彼が迫ると、ついに老婆はしぶしぶ従った。
魔女が自分の足で立ち上がると、ガネロンは金獅子の剣を鞘に戻した。
「お前さん達は尊敬に値する相手だったよ。」老婆は言った。「お前さん達が王国の境界を越えた時、おそらくあたしと再び相まみえることだろう。でもその時は、今回と違う結果になるからね。あたしゃずっと、そこでお前さん達を待ち続けるよ…。」
彼女はじりじりと後ずさりながら、身の毛のよだつような言葉を残すと、ひどく醜いハゲワシへと姿を変えて飛び去った−今回のところは。

一週間後、騎士と魔法使いはアシュリー卿の自宅の栄えある客人となっていた。曲芸や音楽でもてなされ、食事や飲み物が振る舞われた。祝宴のさ中、アシュリー卿が二人への敬意を讃えて銀の杯を掲げた。口数の少ない彼の簡素な乾杯それ自体が雄弁に語っていた。「真の友よ、ありがとう。」
真の友人。ガネロンは仲間の魔法使いを見て微笑んだ。二人の友情はこれまで多くの試練を耐え抜いてきた。ともに悩み、ともに讃えてきたのだ。二人は互いにお辞儀をして、まだ見ぬ未来について少しの間考えた。騎士と魔法使いにとって、未来とはさらなる冒険や栄光を意味する。だが、他の全てを超えて、真の友人を意味するのだ。友よ、ありがとう。
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補足:これまで、王からの使命が何よりも楽しみだと言ってきた騎士と魔法使いですが、やはり友情はそれにもまさるものなのですね。えぇ話やー。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
お疲れ様でした。
スタートまで戻される選択肢を利用して、2つのパートを進行させるというのは良いアイデアでしたね。
正直、今回の話はストーリーの練り込み不足な面が目立ったかな、という印象がありました。
アシュリー卿が告発された、偽の陰謀の内容も、それが告発された過程も説明されませんでしたし、オスグッドとティボルトの話も何だったのか不明でしたし、序盤でのアシュリー卿のハヤブサの話も、伏線としては力不足で、ハヤブサが犯人だったという展開が唐突に感じられましたし。
無実を証明するという、3巻以上にミステリー要素の強い展開だっただけに、これらの練り込み不足がより目立ってしまいましたね。
魔女への処分も、魔女は人を殺しすぎているので、国外追放程度で済ませて良いとは思えませんし。
出現前に縮小の魔法を受けたために大グモが後から巨大グモに戻るとか、ハヤブサにハヤブサで対抗するといった、魔法の思わぬ効果や使い方は面白かったですが…
事件の後も、アシュリー卿はハヤブサの騎士と呼ばれ続けたんでしょうか。そう言えば「ハヤブサの騎士の逆襲」なのに、騎士本人は逆襲しませんでしたね。2人に解決してもらう事自体が「逆襲」扱いなんでしょうか。
伝説の勇者
2012/11/06 23:04
ストーリーの練り込みについては、全て伝説の勇者殿のおっしゃる通りです。タイトルから既に意味不明だし、プロットはばら撒かれたまま繋がっていませんし、魔女の処遇も納得のいくものじゃないですよね(魔法使いルートENDでも同じく国外追放です)。でも、武器や魔法を色々なシチュエーションで使ってくれるので、ゲームブックとしてはそれなりに楽しめました。登場人物も怪しい奴らばっかりでしたし(笑)。
チームトムトム
2012/11/07 05:47

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