ゲームブック「ブラッドソード」

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zoom RSS CM1-12 ダージマン(The Dirge-Man)

<<   作成日時 : 2013/04/29 12:29   >>

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【あらすじ】
口を大きく開けた炎の精霊達を見れば、二人のコラード人を殺しただけでは血の欲求が満たされなかったことは明白だ。奴らは人間のもろい肌に爪を突き刺し、血を沸騰させることを熱望しているのだ。
カエレスティスとアルターは、クレーターの尾根から斜面を下って洞穴の中へと逃げ込んだ。幸いにも、あの恐ろしい化け物どもはそこまでは追ってこなかった。
やがて、最初は煙と霧で隠されていた洞穴からの遠景が見えてきた。それは人の手によって造り出された不気味な光景だった。土墳と石柱からなる不毛の平原には、地下洞窟の天井に届きそうな高台があった。その頂上には、自然ならざる源から発せられる灰白色の光に満たされ、輝く金属の小円紋で飾られた立派な旗が立っている。
「勝利の紋章だ!ついにゴールにたどり着いたんだ!」歓喜の叫び声をあげるアルターに、カエレスティスはそっけなく返した。「まだまださ。」彼が指さした先には、平原とこちら側を隔てる幅の広い深淵が広がっていたのだ。
橋も見当たらない。失敗は避けられないと思われた時、一匹のダージが飛来した。ハッグが予言したドロクターという名のダージマンだ。ファルタインを呼び出せる魔法の指輪を譲る代わりに谷を渡してもらうことでいったんは話がついた。だが案の定、ドロクターは谷を飛んでいる最中に、今すぐ指輪を寄越さないと二人とも谷に落としてやると迫ってきた。
ここでカエレスティスは機転を働かせた。ファルタインを呼び出すと、ドロクターをダージに変えた魔法を解くように命令しようとした。死の恐怖におののくドロクターは、二人を無事に届けると慌てて誓った。
谷向こうに着いた後、先ほどの不誠実に憤ったアルターは剣を抜いてドロクターに迫ったが、結局奴を見逃してやり、二人は先を急いだ。

【ゲームブックでの該当場面】
・炎の化け物スキアピールから逃亡→ダージマンと交渉して谷を渡る
・谷を飛んでいる途中に報酬を今すぐ寄越せと脅してくる

【ゲームブックと異なる設定】
・ダージマンとの交渉材料は、今回はショーミアーノの指輪だが、ゲームでは遅行性の毒薬キメラのつば。

【カエレスティス&アルターvs.ドロクター その1】
ドロクター(D)「(ばかにするように)おおい、この崖は翼のない者には困難な障害だと思わないか?」
カエレスティス(C)「(腹立ちを抑えながら愛想よく微笑んで)そうなんだ、手伝ってくれないかい?」
D「俺ならお前達を乗せて飛べるぞ。」
アルター(A)「そうしてくれると非常にありがたい。」
D「その感謝の気持ちが俺には一番価値があるんだ。俺がそいつを無意味とみなしてるなんて思わないでくれよ。だがそれでも、物質的かつ実物の適切な報酬が契約の見返りとして必要だろう。それなしでは、我々の間の取引は不正確で満足いかないものになってしまう。」
A「(用心しながら)その翼なら、お前は力強く飛ぶに違いない。話に費やす熱意の半分もあれば、家も持ち上げて飛べるんだろうな。」
D「それはつまり、俺がしゃべり過ぎってことか?不必要に回りくどいと?俺はいつも完璧に明快な取引を交わしたいだけなんだ。」
C「俺達は、お前の取引に対する几帳面さに感嘆して評価しているんだ。俺の友人は安心材料を探しているだけさ。何と言っても、峡谷はかなり深いんだ。」
D「深さを気にすることはないぜ。下は溶岩で満ち満ちているんだからな。」
C「もちろん、お前が俺達を落とさない限り、深さも下にあるものも気にはしないさ。」
D「(あくびをかみ殺しながら)まったくそうだ。それで、支払いについてなんだが−。」
<返答として、カエレスティスは指を見せた。その時幸運にも、近くで間欠的に噴出した溶岩の光を受けて、彼の指にはまった金の指輪は燦然と輝いた。>
D「なんて途方もないお宝だ!そいつを俺にくれるなら、すぐにお前らを乗せて谷を飛び越えてやる。」
A「ちょっとした修正はあるが、俺もそのつもりだ。俺達を谷向こうに運んでくれた後で、この指輪を渡そう。」
D「(不機嫌そうに)お前は難しい取り引きを持ちかけているんだぞ。だが、今まで地下競技で危険に立ち向かってきた者達から多くを期待すべきではないだろうな。よし分かった、それに同意し−。」
C「まだ全部じゃない。『破棄条項』を忘れているぞ。」
D「俺には語彙も法律に関する専門知識も足りないんだ。『破棄条項』なんて聞いたこともないぞ。」
C「基本的には、お前の気が変わった時に、契約で同意した報酬やサービスを受け取る権利をお前が放棄するというオプションのことだ。」
D「分かった。もしお前達が『破棄条項』を行使したら、俺は単純にお前達を谷に落とせばいいんだな。」
C「ああそうだ。でもその時は、お前が指輪を貰えるという契約は何もなくなるぞ。」
D「そんな本末転倒な条項を含める価値はほとんどないような気がするんだがな。」
C「現在の法律では、同意が有効とみなされる場合は、それは基本的なことなんだ!」
D「いいだろう。」

【カエレスティス&アルターvs.ドロクター その2】
<二人を乗せて飛びながら、ちょうど谷の中間に差しかかった頃。>
D「これから話す事柄を切り出すうまい方法を探していたんだが、思いやりを損なわずに済ませられそうもなくて途方に暮れてしまった。だから、率直に言うことが一番だと思うんだ。今すぐその指輪を寄越さなければ、宙返りしてお前達を溶岩の中に落としてしまうぞ。」
C「なぜこの指輪が特別なのか知りたくはないか?それは、こいつには魔法の小悪魔が住んでいるからなんだ。見ろ!」
ファルタイン(F)「またあなたですか?てっきり死んだと思っていました。」
C「(ファルタインに向かって)このドロクターは、俺達を乗せて谷を渡っているんだが、元々今のような巨大な翼のある怪物だったわけではないんだ。彼はかつて人間だったのだ…。」
D「何を企んでいるんだ?」
C「(ドロクターを無視して)彼は魔法で姿を変えられたんだ。お前の魔法で彼をかつての姿に戻せるか?」
F「もちろん。こんな簡単なことはありません。今すぐですか?」
D「待て!もしそうなったら、お前達も溶岩に落ちてしまうぞ。」
A「(カエレスティスの意図を察して)そうなったら、それが我々の運命さ。」
C「もしお前が『破棄条項』を行使しなかったならな。」
D「する!するよ!そいつを追っ払ってくれ。そいつにも指輪にも関わりたくない。」
C「(ファルタインを指輪に戻してから)ここで降ろせ。もしこれ以上裏切るようなことがあったら、あっという間に灰にしてやるからな。」
A「(地上に着くと、すぐに剣を抜いて怪物の腹に剣を突き付けながら、)悪魔め!お前の二枚舌を剣で突き通してやる。」
D「(うなだれて)そうしたいなら、どうぞやってくれ。そいつが俺を苦悩から解放してくれるだろう。俺は自分に対する処罰が嫌なんだ。怪物でいるくらいなら、むしろ死にたいくらいだ。」
A「さあ行け、視界から消え失せろ。クラースのマグス達がお前に呪文をかけた時、お前は彼らが選んだ罪に値していたのだ。」
D「俺が?俺は人間としては不正直だったかもしれんが、マグスが俺から造り出した怪物ほど邪悪じゃなかった。定命の者よ、さらばだ。もし地下競技を生き残ることができれば、マグスが欺瞞の王である所以を知ることだろう。」
C「(飛び去るドロクターを見送りながら)奴は何を言っているんだ?」
A「我々の気力をくじこうとする最後の悪意に過ぎないさ。」

【感想】
ずいぶん間隔が開いてしまいました。毎度おなじみ、ブラッドソードらしさ全開のやりとりです。ゲームの方も、まだ色々手直しは必要ですが概ね完成しました。GWということで暇を持て余している方は、「ファティマの庭園」へどうぞ。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
スキアピールからはあっさりと逃げられたんですね。
金色のくつわと「金」繋がりで指輪を取引材料にするとは。しかし取引の会話内容は妙に回りくどいですね。
くつわ取引と比べると貰えない点で損ですが(最後は手綱を石につながれていましたが、後で自分で解けば良いですし、くつわも自分で外せるでしょうし)、毒取引と比べると生きられる分、原作よりはマシかと思ったら、本人にとっては死んだ方が幸せなんでしょうか。

そういえば、ゲームブックではくつわを使うと、鋲が皮膚に突き刺さるとか、妙に傷つくような描写がされていましたが、この世界のくつわは、馬を傷つけるような、馬に優しくない作りなんでしょうか。
僕はくつわについてよく知らないので分かりませんが…
伝説の勇者
2013/05/02 21:06
更新お疲れさまです〜
ある時はハッグどものペット、ある時は刑罰として変身させられる「ダージ」、
つづりが出てきましたので調べると「葬送歌」「哀歌」という意味でした…
鳥葬のハゲタカのように野ざらしの死体を食う(ざるを得ない)下等生物という位置づけでしょうか?
(ゲームブックでは「死刑の方が慈悲深い」ように記述されていましたが)

そういえば、毒薬『キメラのつば』が「酒」として取引の材料に使われてましたけど、
騙されたダージマンが「悪くない」と言うくらい“美味”だったんですよね。
ハッグが後々に使うようなことを言って、売り物にさえしてましたが、普通は取引に使おうなんて考えないでしょう…
あそこはもう少し僧侶の鑑定などによるフォローがあってほしかったような気がします。

さて、出てまいりました『勝利の紋章』、手に入れるにはまだまだ波乱があることでしょう。
当然出てくるはずの魔法剣士エイケン、この二人組では戦って退けるにはやや力不足な印象がありますが、どう立ち向かうのか、興味は尽きませんねぇ。
アル=ケイン
2013/05/06 21:55
そういえば、今回の小説には登場しませんが、ゲームブックでは氷の宝石がダージにもスキアピールにも有効でしたね。
ちゃんとした味付けがされているか非常に疑問なハッグ達の料理ですが、原文にはどの魔女がどれを作ったのか記されていました(盲目的服従の呪文に操られた魔女が教えてくれます)。
・グロンガの緑色の醸造酒:ハッグには毒だが、人間には強壮薬になる。
・バルデアの黒い調合薬:すぐには死なない毒薬。別名、キメラのつば。
・ウィンダの発泡飲料:上記キメラのつばの解毒剤
・太っちょジーラの鍋:愚か者を死に至らしめる緑色の粘液
・(一行と話をする魔女の)銘酒:飲むたびに効果が変わる。別名、無秩序の霊薬。
小説はゲームブックよりも主人公側の描写や会話が多いので、その辺りに魅力的を感じます。もちろん、ブラッドソード独特の、あの回りくどい表現がツボです(笑)。
チームトムトム
2013/08/14 21:16

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